品 番 | タ イ ト ル | 演 奏 | 収 録 曲 |
CDWHL2067 | SHEPHERD'S HEY | ロンドンウィンドオーケストラ | グレィンジャー(PERCY GRAINGER/1882-1961):MOLLY ON THE SHOE,IRISH TUNE FROM COUNTY DERRY,SHEPHERD'S HEY,A LINCOLNSHIRE POSY、ミヨー(DARIUS MILHAUD/1892-1974):SUITE FRANCAISE、プーランク(FRANCIS POULENC/1899-1963):SUITE FRANCAISE |
CDQS6021 | WIND MUSIC OF HOLST AND VAUGHAN WILLIAMS | ロンドンウィンドオーケストラ | ホルスト:吹奏楽のための組曲第一番、ヴォーン・ウィリアムズ:イギリス民謡組曲、行進曲風トッカータ、ホルスト:吹奏楽のための組曲第二番、ハマースミス・前奏曲とスケルツォ |
CDWHL2067
昔、LP時代にはやったデニス・ウィック&ロンドンウィンドオーケストラのCDへの焼き直し版。あの頃(1980年頃)、池袋のレコード屋(近所の小さいレコード屋には置いてないので、わざわざ“都会”の大きなレコード屋まで足を運ばないと吹奏楽もののLPには、お目にかかれなかった)に置いてあったロンドンウィンドのLPを眺めてはしまい、また置き場から引き出しては眺め、の繰り返しで、結局お金がなかったので買わずに...。そのうち、そのLPは売れてしまい、売り場には補充もなく、その後、姿を見ることなく今日に至るのでした。
まぁ、そんな思い出話はさておき、その演奏ですが、さすが英国風、とってもいい意味で「ブラスバンド」なんです。当たり前田のクラッカー、そりゃそうだよ、だいたい指揮はデニス・ウィックだし(誰だい、それはマッピの名前だよなんて言っているヤツは。)、ボクの大好きなテューバのジョン・フレッチャーをはじめフィリップジョーンズブラスアンサンブルのメンバーほかイギリスの名立たる(と思う)プレイヤーが名を連ねているんですから。
じゃあ木管はというと、これはこれでまた英国風なんです。ギャルドのレコードで聴けるような木管の音をよしとする人には、ちょっと違和感を感じるかもしれません。クラの音色なんか、最初はボクはなじめなかったけど、これも個性、国民性?と理解すればなかなかおつなもの。
ともかく、ブラス主体の録音でありながら、木管出身のボクも不満を全然感じさせないこの演奏、やっぱり指揮者を含むプレイヤー個々が卓越した技量と高い音楽性を兼ね備え、お互いが高い次元で結びついているからこそ、即席集団であってもこれだけ人に聴かせられる演奏ができるのでしょう。
収録されている曲の演奏、すべてよし。キミが学生吹奏楽部員なら、勉強のためにも必ず買うべきだ、の一枚。
(1997年初稿)
CDQS6021
ASVのクイックシルヴァは廉価盤、その安さ(新世界レコード社で1,000円)だけでもお買い得なのに、このカップリングには、近代吹奏楽曲の祖(?)ホルストの名作、吹奏楽のための第一組曲・第二組曲や、英国ではホルストより格上のヴォーン・ウィリアムズのこれまた有名なイギリス民謡組曲なんかが入っている。で、演奏がまたまたすばーらしー!の一言に尽きる、近代経済学の父ケインズもびっくりの“費用対効果”抜群のチョーお買い得CD。
一組の一曲目、シャコンヌはテューバとストリングバスの見事融合したテーマに始まり、少々速めのテンポ設定と切れのよい金管群の吹奏で、一気にクライマックスまで持っていくあたりは、若干の瑕疵など気にならないほどの熱演。二曲目、インテルメッツオは逆に少しゆっくりめのテンポで、ペットが朗々と民謡風の物悲しいメロディを歌う、これがまたすごーくいいんだ。まるで殿様キングスの「涙の操」を宮地おさむちゃんが熱唱しているみたいに、胸にジーンとくるんだ。聴いてて思ったもん、「あ〜、おいら、イギリス人なんだなぁって」(笑)終曲のマーチは、これまた大胆なテンポ設定。他のバンドが、チャッチャカチャッチャカと速めにやるのに、デニス・ウィックはこのバンドの持ち味を120パーセント引き出すために、あえて本当の行進の速度にしちゃった。それでいて、歯切れよい英国風(イギリス人はスタッカートを短めにする傾向がある)を通しているもんだから、天上天下唯我独尊の好例(いい意味ですよ!)で、スマートさはないが、がっちりした行進曲に仕上がっていましたよ。
ほかにも、二組のユーフォソロは、息遣いをすごく感じるほど(笑)うまいし、イギリス民謡組曲の"Seventeen Come Sunday"のトロンボーンには、もう男惚れ(笑)。隠れた名作、ハマースミスも好演で、このCDを聴かないやつは、えせ吹奏楽部員と後ろ指さされても仕方がないと断言の一枚!
(1996年初稿)