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★ボクの超私的吹奏楽コレクション・RUSSIAN DISC★




RUSSIAN DISC(ロシアン・ディスク:ロシア)


CD

品 番 タ イ ト ル 演 奏 収 録 曲
RDCD00039 STATE WIND ORCHESTRA OF RUSSIA ロシア共和国吹奏楽団 リムスキーコルサコフ:ムラーダより諸公の行進、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第8番、イダ・コトコフスキ(I.Gotokowski):火の詩、トマス・フォード(T.Ford):3楽章の演奏会用 組曲ほか







言わせてください...





RCD00039

うーむ、何と批評したらよいのやら...。かつてソ連邦時代のこのバンドは、荒さもあったが、独特の雰囲気を持っていて、それなりにまとまっていて楽しく聴けたのですが。連邦崩壊後、変に資本主義に毒されてしまい、合奏力が落ちてしまったようです。録音のミキシングもはっきり言って下手です。ソヴィエト国防省吹奏楽団のイメージで期待して聴くと、ちょっと外れてしまう感じです。
収録曲は、表中のほか、チャイコフスキー:胡桃割り人形から「パ・ド・ドゥー」、ロッシーニ:「泥棒かささぎ」序曲、ブロック(A.Bloch):クラリネットとバンドのための小品「デネリアーナ」、(H.Van Ljinschooten):組曲「こんにちの映像」。収録曲にポリシーはなさそう、なんだか、2部構成の学校バンドの定期演奏会みたいで、前半は堅めのクラシック、後半はのりのいいくだけた感じの曲という順番になっています。堅い曲の録音はサバサバめ、くだけた曲は、エコーが効いていたりなんかして、このくだけ物に関しては聴いていて気持ちがいいです。歯切れもよくて、「おっ、ソ連ものだねっ!」ってわかる演奏です。
クラシックのアレンジものは、げろげろって感じ。いや、特別下手くそという訳ではないんです。響きが「古い」んです。それは、日本の吹奏楽界全体がかつて歩んできた「響き」で、アナクロというよりも、ノスタルジックな音色なんです。昭和40年代の全日本吹奏楽コンクールの響きですね。これはこれで、価値があるのかもしれませんけど。
げろげろの原因は、この響きよりも、むしろ指揮者の無能さにあるような気がします。ロッシーニの演奏、いったいどういう考えで、こんな味付けをしたのでしょうか。世界のプロのみんなは、ロッシーニをやるときは、彼独特の妙味を出すのに粉骨砕身しているというのに、あまりにも楽な方に流れ過ぎています。「炎の詩」に至っては、指揮者の味付け、演奏、ミキシングの全てが凶と出てしまった見本。いくらなんでも、この演奏をお手本にする人はいないでしょう、と書くのは、ちょっと言い過ぎでしょうか?
このCDの解説書には、”By its repertoire and its sounding quality the State Wind Orchestra of Russia is one of the highest international level bands in the world.”と書いてありました。頑張ってください。
そんなわけで、買うなら希少価値ねらいか研究対象としての標本用かな。

(1998年1月4日初稿)